敏腕CEOは執愛で契約妻の初めてを暴きたい

彼のまさかの真実

次の日、仁くんの仕事が休みだったので、お昼前に食材や日用品の買い出しに付き合ってもらい、午後は自宅でゆっくり過ごした。

ドイツに行く前から働き詰めだった仁くんは、さすがにお疲れのようだ。

帰国後は私のせいで余計な心労をかけてしまったし、今夜のごはんは仁くんの好きなメニューにしてあげようと思っていると、突然玄関のインターフォンが鳴った。

モニター画面を見ると、そこに映っていたのは私の両親と仁くんの両親、四人の姿で、私は目を瞬かせる。

「え？　うちの両親と仁くんの両親が来たみたいなんだけど、仁くんなにか聞いてる？」

タブレットで雑誌を読んでいた仁くんを振り返った。

「聞いていない。いきなりなんだ？」

眉をひそめた仁くんがモニター画面越しにやりとりし、両親たちが部屋に上がってきた。

「美玖ちゃん、ひさしぶりね！　元気にしてた？」

真っ先に仁くんのお母さんが私に満面の笑みを向けた。

仁くんは母親似なので、まるで仁くんが破顔しているみたいだ。