君の言葉で話したい。
12話 言葉
「難しいこと考えずに、
その中国人と付き合えばいいじゃない。」
久しぶりの友人との食事会。
これまでのいきさつを話すと、
友人の京子は面倒くさそうに、
溜息をついた。

「そういうわけにはいかないよ。
人間関係も複雑になったし、
向こうの日本語も怪しいし、
私だって中国語できないし。」

そもそもコミュニケーションすら、
円滑にできていないのに、
好きと言われたって、
うまくいかないと思っている。

後半は早口になりながら、
ハンバーグを何ども運んだ。
好物のはずなのに、
あまり味がしない気がした。
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