俺がお前を夢の舞台へ

ズレた歯車


**

─翌日


こんなにも学校に行くのが苦痛だったことはない。


嫌がる心に鞭を打って学校に向かうと、こんなときに限って勇翔と校門でバッタリ会ってしまった。


確実に目が合ったのにスルーされる。


覚悟はしていたけど、やっぱり悲しかった。


ズキズキと心が痛む。


「……っ」


声をかけたいのに、怖くてかけられない。


無視されるのも怖いし、あの嫌悪感に満ちた目で見られるのも怖い。


「彩絢、おはよう」


敢えて時間をずらして教室に入ると、茉優がいつもの笑顔で迎えてくれた。


「おはよう…」


「え、どうしたの?その顔」


目をギョッとさせて覗き込まれ、顔を背ける。


これまた運悪く、背けた先には勇翔が座っていて…。
< 114 / 434 >

この作品をシェア

pagetop