俺がお前を夢の舞台へ
「近くの公園に花が咲いてなかったから、遠くの公園に行ったらしい。心配かけて悪かったな」


勇翔が手を伸ばして私を立ち上がらせてくれた。


「とりあえず家ん中入れよ。寒いだろ」


「あ……いや…私は…」


勇翔の家で勇翔と一緒にいるのはちょっと…。


さすがにこれ以上裏切り行為はできない。


「さーやちゃんっ、早く早くー!」


友翔くんが私の手を引いて階段をのぼる。


無邪気にこんな私を慕ってくれる友翔くんを見てると、断りきれなくなる。


家の中にあがるか迷っていると、勇翔が友翔くんの手を私から離した。


「彩絢は用事があるんだとさ。じゃーな、彩絢。今日の埋め合わせはまたいつかするから」


勇翔が気を利かせてくれたんだ。


いつもと変わらないクールな表情。


ヒラヒラと揺れる手。


「じゃあ…帰るね。ごめんね、友翔くん」


寂しそうに見上げてくる友翔くんの視線から逃げるように、私はアパートから立ち去った。


目撃者がいたことも知らずに─…。
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