俺がお前を夢の舞台へ
今の言葉が蒼空の本心だなんて思えない。


蒼空はそんなに冷たい人じゃない。


でも…。


相手は勇翔。


周囲からは犬猿の仲だと言われるような関係性だった。


本当のところは誰にも分からない。


だから…私はこれ以上踏む込めない。


本心じゃないはずだと思いつつも、本当にそうとは言い切れない。


もどかしい。


また3人で話したいのに。


「…じゃーな。また明日」


この話題は続けたくないんだ。


いつもなら、私が“またね”を言うまでは立ち話に付き合ってくれるのに。


「…うん。バイバイ…」


蒼空は勇翔の話題を避けたがる。


勇翔は誰とも口を利こうとしない。


私は昔みたいに話したいのに。


これからどうすればいいんだろう。


幸せ気分も早々に重たい悩みが増え、私の足は重くなる一方だった。
< 22 / 434 >

この作品をシェア

pagetop