俺がお前を夢の舞台へ

託し託された夢と軌跡


─6月

「今日も雨だね…」


どんよりした空に比例するように病室も暗い。


明るいのは生けられたお花だけだ。


蒼空は考え事をしているようで、ずっとだんまり。


時折ため息をついては天井を見上げている。


……蒼空はいつ退院できるんだろう。


蒼空の病気は治るんだろうか。


聞きたいことはたくさんあるけど、どれも本人には聞けない。


「最近勇翔と会ってる?」


「え?何?」


ごめん聞いてなかった、と浮かない顔で言われ、とてつもなく心配になる。


そんなに思い悩むことがあるんだ…。


病状は深刻なのかもしれないな…。


「あ、えっと、勇翔と最近会ってるのかなーって」


退院…できないのかな…。


治療…上手くいってないのかな…。
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