俺がお前を夢の舞台へ
そして。


―カキーーン!!


鋭いライナー性の打球がスタンド目掛けて伸びていく。


「っしゃあっ!!」


「よくやった和樹!!」


フェンスをギリギリ超える2ランホームラン。


これで3-6だ。


橘の猛攻に、諦めムードだったスタンドに活気が戻ってくるのが分かった。


まだいける、まだ終わっていない。


熱気が戻ってきた。


このワクワクが止まらない高揚感も。


私はこの感覚が好きだ。


続く7番打者は、内野安打でノーアウト1塁。


次は颯太くんだ。


「颯太ー!気負わずいけよー!」


まだ入って間もない1年生だ。


感じるプレッシャーは大きいだろう。


「頑張れ…颯太くん」


颯太くんのフォームは勇翔にそっくりだ。


相当勇翔に教えてもらったんだろう。
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