俺がお前を夢の舞台へ
“甲子園に連れて行ってやった”


そう簡単に言える言葉じゃない。


勇翔はとんでもない人間だ…。


「…感謝してるよ。ものすごく」


「………急になんだよ」


「ホント、ありがとな」


蒼空…。


あの蒼空が勇翔に面と向かってお礼を言っている。


半年前までは考えられなかった光景に、思わず頬がゆるむ。


「…キッモ。お前に礼言われるとキモい」


「てめーが感謝しろっつったんだろ」


「キモいもんはキモいもんだよ」


「うっぜー」


この小競り合い…。


懐かしいなぁ…。


昔を思い出す。


この2人の掛け合いが大好きだった。


やっぱり私はどちらか1人とよりも、3人で一緒にいたい。


この2人のことが同じだけ大好きなんだ。
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