俺がお前を夢の舞台へ
「秋の予選…蒼空頑張ってたじゃん」


2年の夏、準々決勝で敗れた直後から、練習の鬼と化し、地道に頑張ってきた。


それでもたどり着けないのが甲子園という場所。


だからこそ球児の夢なんだろう。


「いくら俺が頑張ったって、ついてくる結果なんてたかが知れてんだ。勝ち進んでった先でさらに勝てる投手がいて、打てる打線が組めねぇと俺らにチャンスはねーよ」


蒼空らしい冷静な分析だった。


蒼空レベルで投げれるピッチャー、打てるバッター。


私が知ってるなかで思い当たるのは一人しかいない。


結城勇翔。


小学生のの頃、お父さんは蒼空と勇翔の二大エースに一目置いていた。


そしてまた、お父さんの手を煩わせるほどよ問題児だったのも蒼空と勇翔だった。


特に勇翔は、超がいくつついても足りないほどの問題児で、何度もお父さんが激怒していた。
< 6 / 434 >

この作品をシェア

pagetop