隣の不器用王子のご飯係はじめました
漫画のモデルは身近がいい





夏休み。

久々に帰った実家の周りは、相変わらずのどかな風景が広がっていた。

炎天下での畑作業の手伝いはかなり大変だったけど、掃除や洗濯なんかは任せられる分ゆっくりすることができた。

手伝いをしていない時間には、学校から出された課題をしたり、補講に苦しむ由梨から送られてくるメッセージへの返信をするなどして過ごした。


家族からは事あるごとに「学校は楽しい?」だとか「勉強についていけてる?」だとか「一人暮らしで困ったことない?」なんてことをしつこく聞かれる。

それらについては楽しいよ~ついていけてるよ~特にないよ~……という無難な受け答えをしていたけど、何の気なしに言ったある一言に非常に後悔することになった。



「やっぱりうちの野菜は美味しいね。スーパーで買うやつよりも大きいし」



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