隣の不器用王子のご飯係はじめました
かき氷のシロップは同じ味がするのか




少し迷ったけど、浴衣は着ないことにした。

持っているわけではなかったので、わざわざ今日のためだけに買いに行くのもどうかと思ったからだ。


だけど、会場に近付くにつれ増えていく浴衣を綺麗に着こなした人たちを見ていると、やっぱり着たかったなあと少しだけ後悔。



「人、増えてきたね」



隣を歩く遠坂くんが私の耳元で言った。

辺りが騒がしくて普通にしゃべっても聞こえにくいからだというのはわかっているけど、そう顔を近付けられると本当にドキドキする。悟られないようにするのが大変だ。



「そ、そうだね。花火が始まるまでまだまだあるのに」

「先に何か食べる?俺、縁日ってほとんど来たことないから何を買っていいのかわからないんだけど……」

「え、そうなの?」

「小さい頃は来たのかもしれないけど、最近は全く」

「じゃあ、花火が始まるまで屋台見て回ろう!くじ引きとかスーパーボールすくいもあるし!あ、食べ物は焼きそばがいいかな。家では作らないような、野菜が少なくて味が濃いやつ!!」



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