隣の不器用王子のご飯係はじめました
一日同居体験



「濡れた制服はとりあえずハンガーにかけて乾かそっか。あ、あとシャワー使って良いよ。お湯出るまで時間かかるから気を付けてね。着替えは……」



私は好きな人が自分の部屋にいるという事実を意識しすぎないよう、わざと慌ただしく動くなどしてみる。

この状況、冷静に考えたら負けだ。

電車が止まって帰れなくなっちゃったから、傘のお礼を兼ねて宿を提供してるだけ。意識するな意識するな。



「えっと、服は私のしかないんだけど……。このパーカーとズボンならサイズ大きめだし、遠坂くん細身だから着られるんじゃないかな。新品で私は一回も使ってないから安心して!」



ショッピングセンターの衣料品コーナーで安売りされていた部屋着セット。

サイズは大きめだったけど、すごく安かったし、部屋で着るだけならダボダボでも大丈夫かな、と思って買ってあったのだ。



「じゃあ……ごめん、お借りします」



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