ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
嫌味たっぷりの言い方に直真さんが頬をひきつらせた。
無視して、直真さんはおじいちゃんの前を通り過ぎ、背中を向けて玄関を出るその時―――

瑞生(たまき)は優秀だ。お前などとは比べものにならんわ!なにを怖がっているのか知らんが、とっとと子供を作れ。この大馬鹿者が」

一喝されて、直真さんはなんとも言えない複雑な表情を浮かべ、玄関の戸を後ろ手で閉めた。
そして、おじいちゃんには聞こえない声で小さく『わかってる』と言ったのだった―――

直真さんは失うのが怖いだけなのだ。
理由を付けて大切な物を増やさないようにしているだけ。
そうじゃなかったら、あれだけ怒っていた直真さんが私を迎えくることはないだろうから。

「直真さん。早く帰りましょう!」

がしっと腕をからませた。

「あ?ああ」

「子供なら大丈夫ですよ。瑞生さんと美桜(みお)さんの子供は英才教育ってやつを受けるでしょうから」

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