ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「有里さん。こちらはどなたですの?」

「あー、私の弟の伊吹です」

「まあ。その……お付き合いしてる方はいらっしゃるの?」

「俺には嫁がいます」

きっぱりとした口調で伊吹さんは言った。

「嫁!?そんな若いのに?」

「今日も嫁の納品があったからきただけだし」

嫁?納品?
有里さんの弟だけあって、よくわからない。
会話が成立していない気がした。

「おおお!さすが伊吹。いいクオリティ」

箱から人形を取り出して有里さんが目をキラキラさせていた。
アニメキャラクターの人形らしく、伊吹さんは有里さんに熱心に語っていた。

「あ、伊吹はフィギュア原型師なんですー。嫁一筋なんで、リアル女性はちょっと」

「誤解を招くようなこと言うな!俺が変態みたいだろ!?」

「私からみたら十分、変態だよ……、なにこのクオリティ」

「嫁が三次元にいたらっていう気持ちの元で製作している」

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