ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
機嫌が悪くなったのかな?と思いながら、エレベーターを降りて、専務が使うと役員室に入ると、私が入る前に手で制した。
なに?
爆弾でもあるの?
直真さんは机の下から、小さな機器を一つ、観葉植物の鉢の中から一つ、コンセントの差し込み口を開けて一つ取り出した。
それをおもむろに床に捨てると、足で一つだけ、見せしめのようにグシャッと踏み潰し、後は機能しないようにスイッチを切った。

「盗聴器を仕掛けやがった」

―――なぜわかった?
それを見破る方もどうなんだよって話なんですが。
軽く引き気味に眺めていると、『入っていいぞ』というように手招きした。

「有里。自分が盗聴器を仕掛けるつもりで動いてみろ」

「はあ」

部屋をぐるりと見回して、絵の裏や引き出しの裏、ライトの中など、順番に触れていく。

「こんなかんじです」

「そうか。なら、もうないな」

「なんだったんですか?」

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