ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「し、しかし……宮ノ入(みやのいり)に気付かれると大変なことになる」

「それが一番、お互いにとっていいでしょう」

株を売るですって?
確か瀧平工業の株は宮ノ入が半分以上、持っていたはずだけど、瀧平の方でも何割か保有している。
その分を売ってしまえば、父の影響力は会社に対して完全にゼロになってしまう。
これは大変なことだと思い、直真お兄様にこっそり伝えることにした。
慌てて、その場を離れて役員室のある階までやってくると、直真お兄様の部屋をノックした。
ガチャリとドアを開けると、ソファーの上に正座し、半泣きの有里さんと険しい顔をした直真お兄様がいた。
いったいなにが―――?
そう思っていると、直真お兄様が無表情ですたすたと近寄ると、バンッとドアを閉めた。
え!?どういうこと!?
私、締め出された?
今、問答無用でドアを閉めたのは直真お兄様だったような………目の錯覚?
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