僕が愛した歌姫
「成功なんてしてほしくないの……。さっきも言ったとおり、実験が続く限り私はここから出られない。そんなの、生きてても意味がないわ」


「でも……っ!!」


「後悔なんてしてないの」


俺の言葉を遮るように、鈴の音が言った。


「私の人生、やり残した事なんてない。ただ1つだけ言うのなら……」


お父さんの間違った実験を、今すぐやめさせたい。


彼女はそう言って、少し潤んだ瞳で俺を見た。
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