僕が愛した歌姫
☆☆☆

「うっわ、まじダセーこいつ!!」


そう言って、俺、ナオキを指差して爆笑する友人のヒロシ。


赤毛をツンツンに立てて口にピアスをしたヒロは、俺よりも20センチも小さくて160センチ前後しかない。


そのチビッコが、今は俺を見下ろしている。


「うっぜ……。なにしに来たんだよお前」


俺はヒロシへ向けて言う。


「何って、見舞いだろ、見舞い」


ヒロシは笑いすぎて涙を浮かべつつ、俺のベッドの上にスーパーの買い物袋を置いた。


俺はその中身を確認して……思わず、ため息。


「なんだよこれ」


大部屋だから、小声で言ってヒロシの頭をこづいた。


「え? だってこれ健康男子には一番必要でしょ?」
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