僕が愛した歌姫
期待と不安。


今度こそヒロシに笑われないように携帯電話を持参していく。


このカメラでバッチリ撮って見せてやるんだ。


あいつきっと腰をぬかすぞ。


そう思い、今からニヤニヤと笑う。


そろりと病室を抜け出して、誰にも気づかれずに非常口へと向かったのだった――。
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