互いに堕ちるその先に
1.

PM 11:00


うるさいぐらいの爆音の音楽、
目がチカチカするほどのライト、
せめぎ合う若者たち。


はぁ。仕事だとわかってるけど。
とんでもなく帰りたい。
でも、そんな訳にも行かず。
どこから探そうか。
とりあえず、Club内を歩いてみる事にした。


「ねぇねぇ。1人?一緒に踊らない?」

知らない男が声掛けてきた。
てか、酒臭い。
どんだけ飲んだのこの人。

「ごめん。連れいるから。」

余裕で嘘だけど、
そんなこと気にしてられない。
それに、人が多過ぎて押しつぶされそうだし。
避難が最優先。

< 6 / 55 >

この作品をシェア

pagetop