今夜もあなたと月、見ます。


「横井くん」

あれからかなり時間がかかり、横井くんを見つけたのは予鈴が鳴る10分前だった

図書室から出てきたところを発見して、久しぶりに全力疾走した


「…間宮」

いつもの笑顔ではない、ちょっと真剣な顔

私がなんでここにきたのかは分かっているようだ

「話したいんだけど」

「…俺もだよ」

ピリッと、普段は流れないようなちょっと痛い空気が流れる

「放課後、残っててくれる?」

「わかった」

にっこりと中身のない笑顔が返ってくる

私は特に表情を変えず、ただ、ジッとその目を見た

「…っ」



横井くんが風組にいる理由

何一つ想像がつかないけど

知りたい


怖くないわけではない

響紀さんだってまだちょっと怖い

風組なんて得体の知れない暴走族のメンバーに対し、恐怖しないほど肝は座ってない

でも…。


ぎゅっと、いつもより強く拳を握った


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