今夜もあなたと月、見ます。


彼女の過去は『普通』ではなかった


両親がいないと言った

愛され方を知らないとも言ったけど

愛され方を知らない人間がここまで素晴らしい人間になるのだろうか


きっと彼女は愛されていたんだ

気づかないだけで、きっと一緒に暮らしているおじさんとやらも、過去に失ったご両親も

お前を愛していたんだよ


だってこんなにも愛らしくて可愛らしい素敵な人をそばに置いておいて

どうやって愛さないでいることができるのか


数日、数時間一緒にいただけで俺にはそれがわかるよ



俺をろくでもない人間でもいいと言った

人間らしくていいと言った

俺を普通の人として見てくれる


多分これから一生かけて探しても

晴のような人間を見つけることはできないだろう



俺のような人間が、真っ当に生きている晴に近づくのはリスクが高い


それはわかってる

でも我慢できない

1日会えないだけで寂しくなる

気づけばあのコンビニに向かってる


こんなに弱いはずないんだけどな、俺


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