ハツコイ〜僕らははじめてだった〜
宿についてチェックインを済ませる。
可愛い浴衣を自由に選べるようだ。

「克、どれにするー?」

男ものの浴衣を手に取って舞が聞いた。

「んー?舞に選んでほしい。」

「本当?やった。じゃあこれかな。」

紺色の浴衣を手に取る舞。

「ありがと。舞も選びな。」

克が頭を撫でながら言った。

「私のも克に選んでもらいたいな。」

「いいの?んー、じゃあこれ着てほしい。」

克の手には可愛い花柄の浴衣が
握られていた。

「わぁ、可愛いー。ありがとう。」

舞はニコニコだ。

「はは、本当可愛い。」

舞を見て克が言った。
選び終わった手をとって指を絡める。

「克…、今日何か甘い。」

「甘い?」

「甘々な雰囲気でドキドキする。」

舞が正直に言った。

「あら、ドキドキさせちゃいました?」

「うん。」

「んでも、まだまだこれからだよ。」

克はそう言って意地悪く笑った。
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