ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

はじめての恋

あれから、克に家まで送ってもらって
ご飯食べて、お風呂入って…
ふぅ、本当にもう疲れた。寝よ…。

[ブー、ブー、ブー]

着信が鳴った。詩織だ。

「もしもし、舞、今大丈夫?
もー私、今日死んでもいいかも。」

興奮気味に電話口で詩織が話す。

「何?何があったの?」

「かっちゃんがね、今まで
支えてきてくれてありがとうって、
詩織の大事さがわかったわって。」

「…何それ。告白?」

舞も興奮して、クッションを胸に抱いた。

「いや、告白ではないと思うけど
その後、ありがとうって頭よしよしされた。」

「きゃー!!!
かっちゃんにはありえないことだよ!」

舞が叫ぶ。

「舞、本当今日はありがとう。
月曜日、皆に何か持っていく!
舞は?克がちゃんと送ってくれた?」

「…うん。」

「うん。って何も無いんかい!」

(何も無かったとは言えないけど…)
克に抱きしめられたことを思い出して
顔が熱くなる。

「…克が好きって、今日ちゃんとわかった。」

「ぎゃー!!!!!」

電話先で詩織の叫び声が聞こえた。

「もー!何!?どこからどうして
そんななったのかわかんないけど
とりあえずおめでとう。そして
これから頑張ろー!!私たち!」

「うん。本当、今日はありがとう。
うん。…うん。また、月曜日に。
おやすみなさい。…ピッ」

(はぁ、恋って、こんな疲れるんだな。
相手の一言とか、一つの仕草で
心も身体も揺さぶられる…。)


幸せな疲れを感じて、舞は眠りについた。
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