ハツコイ〜僕らははじめてだった〜

はじめてのキス

「舞ー、これ持っていってー。」

詩織がグラスを渡す。

「はいよー。」

舞が部屋にグラスを持っていくと
裕子と希望がお皿を並べてくれていた。

「裕子ちゃんたちありがとう。」

「いえいえ。…直樹くん達
試合どんなかな?」

裕子が呟いた。

(おぉ!)

「今日決勝って聞いた。勝つといいよね。」

舞が言った。

「…舞ちゃん、直樹くんと仲良いよね。
どうやったら、そんな風にいられるかな?」

裕子が真剣な目で舞をみる。

「幼稚園からの幼馴染だからね。
直樹はお調子者だけど、一番周りをみてる。
キャッチャーとか、本当天職だと思う。
…裕子ちゃんにお疲れ様って言われるだけで
喜ぶと思うよ。」

「そうかな。私も直樹くんは
色々なことを裏でサポートしていて
凄いな、もっと話したいなーって思うんだけど
なかなか話せなくって…。
ちょっと舞ちゃんにやきもちやいちゃった。」

裕子が素直に伝える。

「(か、可愛い。)…私の恋も、直樹が
サポートしてくれてるよ。だから
やきもちの心配はなし。」

舞が笑った。

「それは、克くん?」

「わ!裕子ちゃんにまで。
本当バレバレだねー。私の気持ち。」

舞が真っ赤になる。

「ふふふ。ありがとう。
私も今日頑張って話してみる。」

そう言って裕子も微笑んだ。

「皆、凄いなー。私も頑張ろう。」

希望も呟いた。

「えー?希望ちゃんも好きな人いるのー?」

舞が驚いて叫んだ。

「舞ちゃん、シーっ。
…うん。…拓実くん。」

希望が顔を真っ赤にして答える。

「わ!文化委員の時も優しいもんね。」

舞が今度は小さな声で話す。

「ファンの人いっぱいいるんだけど。
私も今日、頑張って話してみる。」

希望が言った。

「恋バナ楽しいね。皆で頑張ろう。」

舞が笑って話した。
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