西岡三兄弟の異常な執着
そして次の日から花苗は、森宮に気を遣うようになる。
森宮もあんな告白をして、後悔していた。

今日も黄河達と森宮、杉尾が仕事に出かけた後。

「花苗様」
「水樹さん、どうしました?」
「森宮さんと何かあったんですか?」
「え?」
「なんか、お互いによそよそしいから……」
「いえ……別に…」
そう言って去ろうとする、花苗。

「森宮さんに、告白されたとかですか?」
水樹の声が廊下に響いた。

「え?水樹さん、どうして?」
「森宮さんの気持ち、ここに来た時から気づいてましたから。明らかに、花苗様を見る目が違いましたよ。森宮さん」
「え……」
「きっと…知らなかったのは、花苗様だけです。
若様もかなり、警戒してるみたいだし」

「そうだったんだ……」
「でも、花苗様が気にする必要ないと思いますよ?
森宮さんも、花苗様が若様を愛してるってわかってるでしょうし、どうにかしようとなんてしないと思いますよ」

【俺が拐っていいですか?】

「そうですよね。
私も、一度ちゃんと気持ちを伝えます!」
花苗は何か決意したように言ったのだった。


その日の夜更け、花苗は朱雀が眠ったのを確認して森宮の部屋に向かった。
「森宮さん、起きてますか?」
「え?花苗様!?」
ノックをして声をかけると、中から声がして森宮が顔を出した。

「夜遅くにごめんなさい。森宮さんとちゃんと話したいと思って……」
「はい」
「私、朱雀を愛してます。
森宮さんから見たら、きっと私が朱雀に囚われてるように見えるんでしょうけど……逆なんですよ」
花苗は森宮を見上げ、目を見つめてはっきり言った。

「逆って?」
< 89 / 93 >

この作品をシェア

pagetop