『君』の代わり。
君とオレ

夏服から冬服になった



朝日奈が

ばあちゃんのご飯を食べる回数が

増えた



オレがバイトを辞めたから

だいたい一緒に帰って

だいたいばあちゃんのご飯を食べて帰る



バイトを辞めた理由

店長がウザかった



じゃなくて…



朝日奈といたかった



朝日奈と駅まで向かう途中

コンビニのレジから手を振る店長が視界に入る



わざと朝日奈の肩を抱いたりしたら

店長驚くだろうな



朝日奈は…?

朝日奈はどぉするかな



今日もガラス越しに

手を振る店長が視界に入ってきた



朝日奈は友達が犬を飼った話をしてた



何の前触れもなく

朝日奈の肩を抱いた



「わぁ!
ちょっと…星野、なに?」



朝日奈の驚き方がかわいくて

わざともう1回やった



「もぉ、なに!星野」



「ヤダった?」



「ヤダとかじゃないけど…」



「こわかった?」



「こわくないけど…」



「じゃー、なに?」



「ドキドキする…」



朝日奈の言葉にドキドキした



「朝日奈もばあちゃんが見てない隙に
オレにキスするふりとか、やめろよな
見つかったら
またオレがばあちゃんに怒られるし
今度はホントにばあちゃん寝込みそうだから」



お互い

ふざけながらは

できるのに…



実際

ちゃんと手も繋げなかった



こんな田舎で手繋いでたら

すぐ噂になる



それを理由に

ただ

照れくさいからなんだけど…



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