ファーストソング
第七章 冬、冬と夏の未来

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文化祭から数日後、私は病室に来た夏輝に曲を渡した。
夏輝らしい明るく爽やかな曲。
歌詞はまだついてないけど明るいアップテンポな曲調は夏輝にピッタリだと思う。


「…これが俺の曲」


隣で聞かれて少しドキドキした。

チラチラ窓の外を見たりとかして、今思えば少しだけ滑稽だったと思う。
聴き終わったのかイヤホンを外した音が聞こえて窓から視線を夏輝に戻す。


「え、夏輝…!?」


私は驚きから思わず声を上げた。

──夏輝が静かに泣いていたからだ。


「…すげぇよ。 ほんとすげぇよ、千冬ちゃん」


そういう夏輝の震えた声は今でも忘れない。

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