幼馴染 × 社長 × スパダリ
家に帰ると、なぜか美味しそうな香りがする。
妹の彩がご飯を作っていた。
彩は自分も家計を助けたいと言って、学校が終わるとコンビニでバイトをしている。
夕食を作って待っているのは珍しい。
何かあるのではないかと心配になる。
「彩、今日はバイト休みなの?」
「う…うん。」
何か言いづらそうにしている。
私は彩の顔をじっと見つめた。
「何かあったの?」
妹は少し言いづらそうな表情をしながら口を開いた。
「お姉ちゃんさぁ…二階堂社長と結婚するの?」
「…っえ?」
「今日、ニュースで偶然見ちゃったんだ…お姉ちゃんがニュースに出ていてびっくりしたよ…」
あれだけマスコミが居たのだから、ニュースになっていても不思議はないが、こんなに早く彩が知るとは思っていなかった。
「あっ…あれは…違うの…」
私の言葉を遮るように彩は話し始めた。
「お姉ちゃん、私の為に遠慮しなくていいんだよ…私は一人でも大丈夫だよ。それにお姉ちゃんに内緒にしていたけど、じつは留学したいと思って、少しずつ貯金もしていたんだ。」
「…彩…留学したいの?」
「…うん。デザインの勉強にイタリアに行きたいんだ…」