幼馴染 × 社長 × スパダリ

今日は早めに帰れると、涼ちゃんから連絡があった。
久しぶりに一緒に夕食が食べられる。

せっかくなので、涼ちゃんの好きなものを頑張って作りたい。

(…涼ちゃんは何が好きなんだろう?…)


「涼ちゃん、ハンバーグ好きだったよね?」


涼ちゃんは子供の頃、ハンバーグが大好きで、うちの母も涼ちゃんの家族が、家に来る時、よくハンバーグを作っていたことを思い出す。
ただ、大人になった涼ちゃんが、まだハンバーグが好きなのか、不安だった。


「萌絵、よく覚えていてくれたね。嬉しいよ。今でも大好物だ!」


そう言うと涼ちゃんは、一口ハンバーグを頬張る。
少しの時間沈黙が続く。美味しくなかったのかと不安になる。

すると、涼ちゃんはニコリと笑顔を見せてくれた。

「涼ちゃん、味付けも大丈夫だった?…まだハンバーグ好きかなぁって…心配だったんだ。」

「萌絵、ありがとう…萌絵の手料理を毎日食べられるなんて贅沢だな…とても嬉しいよ。」

涼ちゃんの言葉に私は顔が真っ赤になっているのが分かる。

「…お…お代わりできるから…たくさん…食べてね…」


私にとっては、涼ちゃんと向かい合って食事できるなんて、とても贅沢なことに感じる。
涼ちゃんの優しい笑顔に、まだ心臓がドクンと鳴る。
なかなかこの笑顔には、慣れそうにもない…。



「そうだ…萌絵、この前は小柳君のことで、嫌な思いさせて悪かったな…」

私はゆっくり首を横に振る。

「涼ちゃん、私の方がお礼を言いたいよ…あれから誤解も解けたし…小柳さんと話しやすくなったし…感謝してる。」

「…そうか、よかったな…」




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