キラキラ星
「あくまでも私の意見だが…職人になるなら中卒だって構わないんだ。

颯太にとっては高校の3年間は無駄な時間だと感じるだろうから高校もデザイン科があるところに入れたらどうかと思う。

そして日本にいるうちに英語とオランダ語を習わせて…
美香がフランス語を勉強して卒業後パリへ行ったように…… カエルの子はカエルさ」

「わかりました。颯太にデザイン科がある高校を受験するように話してみます。
語学の事も本人に調べさせて通わせます。」

「うん。実はね〜あの子は中2からいろいろと調べていたみたいだよ」

「え〜…私、すごくショックだなぁ〜母親なのに相談もされてなかった…情けない…」

「美香、そんな事ないわよ。颯太は美香が高校時代にエマ師範からフランス語を3年間習って、英語も習いに行ってた事を話したら
"うちの母さんって情熱的で頑張り屋さんなんだ"
って感動してたのよ。
美香がパリコレに出てた実家に置いてある写真をいつも見てたし」

「………じゃあ、颯太に信用されてない訳じゃあない…んだぁ… 良かった。」
と美香は目頭をティッシュで抑えた。

「颯太は何も言わない子なので、ずぅーとアイツの事を理解するのが難しかったけど、しっかりしたいい子に育ってくれたんですね」

「そうだよ。まずは高校入試だな。
春休みに一度、颯太とお前たち夫婦と俺と母さんで、オランダの工房へ挨拶に行くぞ」

「ハイ。お願いします。」

颯太の情熱の炎を消さないように見守ろうと思った。
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