【完】月島くんは日高さんのことがお好き。

「ねぇ、僕のどこかそんなに良いの?」
「えっ?」


正直、自分のどこにモテる要素があるのか分からない。

人付き合いも愛想も決して良い方ではなくて、基本すずちゃんを見ている時以外が感情が欠落している顔をしていると思う。

同じ質問を桔平にもしたことがある。「何で僕ってモテるんだろうね」って。彼は「顔だろ」と即答していた。その後なぜか「何かムカつく」とチョップをお見舞いされたけれど。全く、血も涙もない男である。

でもただ顔が良くてもダメなのだ。

すずちゃんの好みの顔じゃないと僕は胸を張ってイケメンですとは言えない。


「月島くんって、格好良いし!優しくて!ひ、一目惚れだったの・・・!」
「?」


その言葉に疑問を持った僕は首を傾げる。

予想外の反応に動揺したのか、彼女も戸惑っている様子だった。


「つ、月島くん?」
「僕さ、君に優しくしたことなんてあったっけ?」


そう尋ねると彼女は「へ?」と豆鉄砲と食らったようなマヌケな表情になった。

だって僕にはこの人に優しくした記憶なんて1ミリたりともないのだ。

もしかして誰かと勘違いしているのではないかと思った。そうだとしたら早く訂正してあげないといけない。

僕は「告白する相手を間違ってない?」と尋ねた。
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