無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜





「えっと……わ、わかりました……!私も、和泉くんの迷惑にはなりたくないので、その方がいいと思います」



佐倉先輩の意見を肯定すると、リナちゃんが不満げに口をつぐんだ。



「いや、迷惑なんてことはないでしょうけど……むしろ、それ言ったら和泉怒るんじゃないですか?」

「今日俺から話すよ。静香ちゃんが物分かりいい子でよかった。改めてよろしくね」



こちらこそ……!と、頭を下げる。

まだ、私と和泉くんが付き合っていることを知っているのはごく一部だし……みんな言いふらすような人たちじゃないから、きっと隠せるはず。


私は特に、隠すことに不安はなかった。


私も……和泉くんも、人前で恋人のように振舞いたいタイプではないと思うし、今まで通り過ごせばいいだけ。


部活中も、あんまり和泉くんを見ないように気をつけなきゃっ……。

いつもつい目で追ってしまうから、それだけが不安だ。


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