無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
こんな独占欲塗れじゃ本当に愛想つかされる……コントロールできるようにならないと。

付き合い初めは、誰だってこうなるのか……?わからない。

恋愛相談をできるような相手もいないから、初めての交際は探り探りだった。



「和泉くん……!」



静香先輩の声が聞こえて、顔を上げる。



いつも以上に嬉しそうというか……何かあったような笑顔に、首を傾けた。

どうしたんだろう……。



「おはようございます、先輩」

「お、おはようっ……」

「どうしたんですか?」



俺の言葉に、静香先輩は目を輝かせて何かを取り出した。



「あ、あの、見てください……!」



ポケットから取り出された、それ。



「……スマホ?」

「お母さんたちが、買ってくれたんです……!」



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