無自覚な恋人。〜俺しか見ないで、センパイ〜
そういえば、静香先輩って大人っぽいとか言われているけど……

俺の前では、無邪気な少女みたい。

こんな先輩を見られるのは恋人の特権かと思うと、口元が緩みそうになる。



「アプリとかは入れましたか?」

「アプリ……?」



こてんと首を傾げた静香先輩に、もしかしてアプリがわからないのか……とまた驚いた。

この人には……あんまりスマホの扱いが上手くなってほしくない気もする。



「連絡交換用のやつです。ちょっとお借りしてもいいですか」

「は、はい!」



先輩からスマホを借りて、とりあえず電話番号を交換しようと連絡帳を開く。


……ん?



「あれ……?まだ誰も連絡先登録してないんですか?」



連絡先の登録者がゼロなことに気づいて、そう聞いた。



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