妊娠前提マリアージュ~強面の海運王の身ごもり妻、赤ちゃんの誕生日が二人の離婚予定日~
「失礼します」

と私はノックと声掛けをして、匡貴さんの病室に入った。

「美晴か…」

匡貴さんはベットで上体を起こして、ベットサイドテーブルにノートパソコンを置いてキーを打っていた。

「仕事ですか?」

「まぁな…」

「何か飲みますか?」

「いや、いい…それよりも体調は大丈夫なのか?」

「大丈夫です」

「正史の話だと雪美さんは悪阻が酷くて、暫く入院していたと訊いた…姉妹だから…お前も酷いかと思ったが…美晴は大丈夫そうだな…」



ノートパソコンに見ていた切れ長の瞳が私の方を見た。

「大丈夫ですよ…」

< 106 / 111 >

この作品をシェア

pagetop