図書館司書に溺愛を捧ぐ
私は中学受験をした。
両親も友達とうまくいっていないことには気がついており、心機一転私立に行くことになった。
幸い机に座っていることは苦痛でなく、やることのない私は6年生の1年を勉強に費やし希望する学校へと進学を決めた。

みんなも同じスタートラインからの始まりで、自然と友達ができた。
口数の少ない私を理解してくれる友達も出来た。
あずさからのアドバイスも大きかった。
『お兄ちゃんがしてくれたみたいに話したらいい、私に話すみたいにしてみたらいいよ。それでダメでも私がいるから。』
その言葉はとても心強かった。
中高と友達に恵まれとても楽しい学生生活を送ることができた。それでもやっぱり本は好きで図書館には通っていた。
大学進学にあたり、私は自然と図書館司書という仕事に惹かれていった。とても身近な職業で私の根幹にある仕事だった。
司書養成講座のある学校を選び進学を決めた。
司書の資格を取っても空きがなければ働けない。とても狭き門だ。
私は本当にありがたいことに通い詰めていたマーレ図書館に空きが出て、幸運なことに就職することができた。
今までの人生でこんなに嬉しかったことはない。私はこの喜びをどう表現したらいいのか分からないくらいに舞い上がった。
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