【完】好きだからそばにいるんだよ
はにかんだ笑顔を見せた桐斗の頬は赤く染まっていた。しかし、それは寒さで赤く染まっているのか、恥ずかしさで赤くなっているのか。





それは本人にしか分からない。






「ふふ、分かってるよ。想いが伝わるといいね桐斗くん」





「あぁ」





桐斗くんと木乃実ちゃんがいつか、お互いの想いを伝えられますように。





満天の星空に、日和は願いを込める。今までの2人のことを見てきた日和は心の底からそう、願った。





すると白矢は家の中を気にし始めた。





「白矢、どうした?」






「家の中が騒がしいと思ってな。何かあったのか?」






家の中に入ると、美華が家の電話で誰かと話していた。その様子は、とても焦っている。






「皆どうしたの?」





日和が聞くと、美華はすぐに振り返り、電話をすぐに変わるように言った。





「もしもし?」






『日和?ママよ』





電話の相手は日和の母。とても急いでいる口調で日和に話している。






「ママ、こんな時間にどうしたの?」






『日和、落ち着いて聞いてね。実はおばぁちゃんが救急車で運ばれたの...!』




えっ....?




ゴトン





驚いた日和は受話器を落としてしまった。






おばぁちゃんが運ばれた?一体、何が起こっているの?
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