【完】好きだからそばにいるんだよ
おばぁちゃん。おばぁちゃん...!





「キャ!」





雪に滑って、転んでしまった。日和はすぐに立ち上がり、足をもう一度動かして病院に向かう。






間に合って。おばぁちゃん、私が行くから。頑張って...!





病院に着いた。日和は息を切らして途中、咳き込むも、深呼吸をして呼吸を整える。





「日和」






あとから追いかけてきた白矢も合流する。すると、白矢の後ろにもう1人いることに気づいた日和。






「木乃実ちゃん!?どうしてここに...」







「私、日和のおばぁちゃんに伝えたいことがあるの。お願い。私も一緒に行かせて」






「ありがとう。一緒に行こう」






「うん」






中に入ると、そこには看護師さんが待っており、日和たちを手術室に案内する。





手術室の前に着くと、日和の両親が扉の前で祖母の手術が終わるのを待っていた。





「パパ、ママ!」





「日和!」





「ママ、おばぁちゃんは?おばぁちゃんは大丈夫なの?」





祖母の容体について、父から説明される。祖母は今、とても危険な状態で、助かる可能性は低いと医師に説明された。






日和は一瞬、祖母の死が頭を横切った。考えたくないが、説明を聞くにつれて頭の中が死の予兆に支配される。





祖母はもとから肺の病気を患っている。運ばれ原因は肺に穴が空き、呼吸困難となって病院に緊急搬送された。






怖い。おばぁちゃんは助からないかもしれないなんて...。そうだ。だから最近、おばぁちゃんの様子が変だったんだ。






「私がもう少し早く気づいていたらこんなことにはならなかった....」






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