winter love
「ごちそうさまでした。」

「少しは落ち着いた?」

「はい。」

「ねぇ、彩奈・・・」

「さっきの人は職場の先輩で、私が倒れることになった原因の一つの人です・・・」

「話したくなかったら、無理しなくていいからね。」

「大丈夫です。」

私は千島さんとのことを全て話した。
そして、今日の会社でのことも。
速水さんがどう思うかなんて気にならないくらい
今までの溜め込んだ思いをぶつけた。

「彩奈!」

「は、速水さん?」

「ごめん。今は抱きしめさせて。
辛かったね。よく頑張った。もう大丈夫だから。彩奈には、俺が付いてるから。」

「速水さん・・・ごめんなさい。彼女さんがいるのに、私がここにきてしまって・・・でも」

「え??彼女?」

「はい・・私がいることで、彼女さんに辛い思いをさせてしまってましたよね。ごめんなさい。」

「ちょ、ちょっと待って!俺、彼女いないよ?」

「え?でも前電話で・・」

「??あ、だから家を出て行ったの?」

「はい・・・」

「なるほど!
俺は彼女なんていないよ。そもそも、彼女がいたら彩奈を家にあげたりしないよ。こう見えても俺、一途に思うタイプだし!」

「じゃあ、電話で話していたのは?」

「多分、ねーちゃんかな?よくこっちに来た時にホテル代わりに家に泊まろうとするんだよ!だから、よく仕事とかを理由に断ってるの。」

「そうだったんですね!」

「そう!誤解は解けたかな?」

「は、はい。なんか、すみません。」

「ねぇ彩奈。
俺は、彩奈が好きだよ。」

「え??」

「彩奈が倒れるのを助けた時、眠ってる彩奈を見て、なんか運命を感じたんだ。変な話って思うかもしれないけど、なんか、未来が見えたと言うか、話したこともない眠る彩奈に触れた時、2人で笑い合ってる姿が浮かんだんだよ。
今までこんなことなくて初めてで戸惑ったけど、これは運命なんだ!って思った。
だから、無理矢理でもいいから彩奈を自分の近くに居させたかった。実際、2人で過ごした時間は本当に幸せで温かい気持ちというか、空気というか、よく分かんないけど幸せだった。
彩奈がいなくなって、この家が静かで、冷たくて、寂しさでいっぱいでたまらなかった。
ごめん。なんか俺、怖いよな。」

「そんなことない!私も同じ!
自分の家に帰った時、空気が重たくて耐えられないと思った。何をしてても速水さんのことを考えてた。私も速水さんと同じだよ!」

「彩奈!」

「私も好き。」

「俺も!」

私たちは気持ちが通じ合っていた。
こんなに幸せなことがあるんだって初めて感じた。

そして私たちは一つになった。
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