winter love
私が倒れてるのをマネージャーさんと助けてくれて、
救急車が来るまで傘をさして
身分証も探してくれて。
マネージャーさんは車があるし、事務所への報告や着替えなどを取りに行く間、
彼は第一発見者としてずっと付き添ってくれていたらしい。

そして、看護師さんが彼氏と勘違いしたみたいで
家族が近くにいないし、連絡しても来られないからという話を聞いたらしい。

「弱ってる時って、一人でいたいこともあるけど、誰かの存在があると心強いかなって思って。
それに君、寝ながら涙を流してたんだよ・・・
お互い知らない同士だけど、側にいてあげたいと思っちゃったんだよね。勝手にごめん。」

「そうだったんですね。本当にいろいろありがとうございます。
正直、一人でいるのが不安でした。実家も遠いし、母子家庭で高校生の弟もいて、母も仕事がやすめず大変なので、頼れないし帰るにも私も仕事があるしって感じで・・・」

「俺は夕方から仕事だし、いない日もあるし、部屋も空いてるから、いつまででもいて大丈夫だから。」

「いつまででもは・・ちょっと・・・」

「いつから仕事復帰?」

「月曜日からです。」

「じゃあ月曜日までの1週間、ここにいればいいよ。」

「服とかもないので・・」

「明日休みだから、必要な物を一緒に取りに帰ろう!」

「は、はい・・・」

そして、奇妙な同居生活が始まった。
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