好きな人は振り向いてくれない

「あー腹減ったー秋良〜なんか食ってこうぜー」

放課後、基哉が俺の肩に腕を回した。

「あー…じゃあ行きてーところあんだけど…」



「いらっしゃいませ!2名様ですか?」

俺らは彼女が働くラーメン店に足を踏み入れた。
会えたらいいなーと淡い期待を抱かせ店内に入ると、彼女は笑顔で俺たちの前に現れた。

いる!!!
いんじゃん!!!

「はい。」
「かしこまりました!こちらへどうぞ!」

基哉が返事をし、彼女は俺らを席まで案内してくれた。


「なぁさっきの子めっちゃ可愛くなかった⁉︎」
基哉は小声で、俺にコソッと耳打ちをした。
「そうだな。」
「あれ珍しい。いつも興味なさそうなのに。」


彼女今日は厨房じゃないのか…
まあホールにいてくれた方が、色々と接点を探しやすいかもしれないな…

俺は基哉に怪しまれない程度に彼女を目で追っていた。

マジで笑顔可愛いな…
ニコニコしてて、まるで天使みたいだ…

「秋良決まった?」

ボーッとする俺に、基哉が声を掛けて来た。

「ん?あぁ…決まってるよ。」

俺は肘を付き、再度彼女に目をやった。


「とんこつラーメンと半チャのセットで!」
「かしこまりました!」
「えっと、坦々麺と餃子1枚下さい。」
「はい!こちらユズありと無し選べますが、どちらになさいますか⁇」
「ありで大丈夫です。」
「かしこまりました!お待ち下さい!」

彼女はニコッと笑い、厨房の方へと入って行った。

初めて近くで見た…。
肌白いし、細いし指綺麗だった…

「あの店員さんマジ可愛い!声かけてみっか⁉︎」

基哉はこういう時積極的なんだよな…
まあ悪く言えばチャラいんだけど…

「迷惑かけっからやめろ。」
「大丈夫大丈夫!今客少ねーじゃん!名前と歳と、あわよくば連絡先とか聞けたら上出来だな!」

名前か…
「お待たせしました!とんこつラーメンと半チャーハンでございます!」
「ありがとうございます!ねぇ!お姉さん可愛いですね!歳いくつですか?」

マジで声掛けた…

彼女は突然の



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