STRAY CAT Ⅱ
第2章 イブ・サチュレーション







「鞠ちゃーんっ」



「リカちゃんっ」



恭と花蔵のビルに仕事で通うこと約2週間。

終業式が終わり、みんながいる高校まで送り届けてもらったわたしは、校門のところで待ってくれていたみんなに駆け寄った。



仕事に行くのも随分慣れた。

相変わらず恭は覚えることが多くて大変そうだけど。



「ん、おつかれ」



「ふふっ、おつかれさま」



金曜日なのに今日は一緒にいてくれるようで。

頭を撫でてくれる恭の視線は優しい。




「……なんか、雰囲気変わったねえ」



こつん、と肘で恭を小突く暖くん。

恭は「いつも通りだろ」と返しているけれど。



「わかる!

なんか、もう一緒にいるの当たり前、みたいな?恋人通り越して、夫婦みたいな雰囲気あるよー」



賛同したリカちゃんにそう言われて、思わず顔が赤くなる。嬉しいやら、恥ずかしいやら。

何も言えないまま恭を見上げるけど、目が合うとわたしの頭をぽんぽんと撫でて。



「一緒に過ごす時間増えたからじゃねーの?」



「恭と鞠ちゃんが同じ中学に通ってた時、

たぶんこんな感じだったんだろうなって思うよね」



同じ中学に、通ってた時。

……わたしと恭は、こんな感じだったんだろうか。



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