俺の子を産めばいい~エリート外科医の愛を孕む極上初夜~

「ありがとう。今は王子様ね……」


 まさにスパダリと言うべき旦那様に感謝しながらも、つい本音が漏れた。今朝はあの腹黒い彼はどこにもいない。

 かと思いきや、私の言葉を聞いた彼はぴくりと反応を示し、意味深な瞳で見つめてくる。


「より子はどっちが好きなの? 優しくされるのと、いじめられるの」


 ああ、またスイッチを入れてしまった……。綺麗に微笑んでいるのに、発言がおかしいわよ。その二択なら、もちろん優しくされるほうがいいでしょう。

 と言いたいところだが、正直、律貴にだったらいじめられるのも悪くない……と思う自分も片隅にいて、すっかりこの人に毒されているのだとちょっぴり情けなくなる。

 でも、やっぱり私は素直じゃないので、目を泳がせて適当に答える。


「それはもちろん優しくされるほうが」
「言葉攻めされてるとき、より子は喜んでるように見えるけど?」
「どこが!」


 言葉攻めとか怪しい単語を使うな! そして嬉しそうな顔をするんじゃない!と、私は赤面しながら心の中で物申した。
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