天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~


「…美しいところだ」


場所だけであれば天界は美しい。


「虹はあるかしら」

「虹?そうだな。水系術を使えば虹を作ることもできる」

「そう。月影と兎月はどんなところに住んでいるの?」

「私の宮で二人で暮らしている」

「きっと美しいところね。いつか見てみたいわ」

「見にくるか?」


私の法術であれば白蘭を天界の者に気づかれず入れることは容易い。


「いいの!?」


目を輝かせて頷く白蘭を連れて私は自分の宮へと白蘭を連れて行った。


「わあー!!なんて綺麗なの!!!」


宮につくと白蘭は子供のように、はしゃいだ。



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