天空の姫Ⅰ ~二人の皇子に愛された娘~
白蘭を正室にしたい。
この娘は魔宮の勢力争いなどに巻き込みたくない。
それなのに、白蘭の家族を殺すわけにはいかぬ。
何もできない自分に腹が立ち悔しく涙が出る。
「すまない。すまない白蘭」
何度も謝る私を白蘭は暖かい手で包み込み抱きしめてくれる。
「いいのよ紅蓮」
誰かに話しを聞いたのか察したのか、白蘭は言った。
「私言ったでしょ。正室でも侍女でもいいって。あなたがいればなんでもいいのよ」
「白蘭」
「何を泣いているのよ。私たちは何も変わらないわ」
いつもの言葉に安堵する。