星に愛された彼女は

怜side 僕が守るべき人

【怜side】

「っ…あ…」

フラリと倒れそうになった美玲を受け止める。

美玲…大事になる前に止められてよかった。

今みたいなスイッチが入ったときははやめに対処しないと…また…

あの日の出来事を思い出して胸が苦しくなる。

“あの人”は止められなかったけど一緒に残った美玲だけは…

「守るよ、絶対」

確かな想いを呟いてから美玲をそっと抱え、教室を出ようとする。

「おい」

だが、一人の男の声で足が止まる。

…あぁ、イライラする。

ただでさえ美玲を早く安全な場所で嫌なことなんか吹っ飛ばすぐらい安心させてあげたいのにコイツは邪魔をする。

「なに?今、急いでるの…見て分からないかなぁ?」

殺気を浴びせるが流石一位とほぼ同レベルの“全国No.二”の総長。そんなことじゃ怯んでくれない。

「そいつ、なんで急に倒れた。」

「今聞くこと?状況見ろよ。」

イライラして口調が乱暴になりつつあるが気にしちゃいられない。

「今じゃないと答えないだろ。」

「今じゃなくても答えねーよ。」

それだけ言うと扉をガンッと蹴り倒して開ける。

周りは呆気としてるが気にしてる場合じゃない。

僕は記憶を頼りに保健室に向かって歩き出した。

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