【短】お前が誰のものか分からせてやるよ。


今は、木枯らしが吹きつける寒い冬。街中の通行人のほとんどがコートを羽織っている季節だ。

私は、伊角月乃《いすみつきの》。一般企業のОLに勤めている25歳。


高校のときの友達に、最近大通りにオープンしたレストランのフレンチフルコースが食べたいから付き合ってと連絡が来て、ついて行くことになった。もう一人、友達を誘って3人で行くことに。


お目当ての限定フルコースは、値段がそれなりにするだけあって、見た目が華やかで味も上品。

オシャレな店内で贅沢な時間を堪能しつつ、久しぶりに会う友達と女子会を楽しんでいた。


「このお店は超人気店で、数カ月前から予約しないと入れないんだよ!この日をどれだけ楽しみにしてたか!」

甘党の友達はパスタを口に運ぶと、満面の笑みを浮かべる。

「確かにすごく美味しいね、来れてよかった。あ、そういえば二人とも、彼氏とは順調なの?」

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