辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する

 その言葉を小さく呟いた途端、セシリオはヘーゼル色の瞳を細めて少年のように笑った。

「いいか、サリーシャ。なにも心配はいらない。きみは俺が必ず幸せにしてやる。だから、安心して愛されていていいんだ」

 今まで生きてきて、誰かからこんなにも嬉しい言葉を言われたことがあっただろうか。滲む視界にもう一度大好きな人の顔が近づくのを感じ、サリーシャはそっと目を閉じた。
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