政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 私たちが出会ったのはお見合いの席が初めてだったよね? それなのに『そう簡単に忘れることができないほど』ってどういうこと?

「今日はここまでだ。この続きはまた今度教えてやるよ」

 先手を打って言われてしまっては、これ以上聞くことができなくなる。……でも、航君は言い伝えがなくても私と結婚していたって言ってくれた。その気持ちに嘘はないよね?

 きっとこの先もずっと一緒にいたら、さっきの話の続きも聞かせてくれるはず。

 一気に不安に押し寄せられていたというのに、航君の言葉ひとつで勇気が湧いてくる。

 どんなに嫌われていたって、やっぱり大好きな人のご両親に認めてもらいたい。そのためならどんな努力もするべきだ。

「あの、航君」

「なに?」

 優しく頭を撫でる彼に言った。

「今度、航君のご両親に会わせてください。そこでもう一度私の気持ちを伝えたいんです。航君が好きだから航君の結婚相手として認めてくださいって」と伝えた。

 本当の意味で航君と幸せになるために強くなろう。そのためならどんな努力だってしてみせる。
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